サッドヴァケイション 青山監督ティーチイン 2007.09.26
(文字サイズ「小」で見てください。)
 

映画終了後、薄暗い電灯が灯り、司会者がおもむろに話し始める・・・

あれ?そこに立ってるのは・・・・もしかして青山監督?? キャップかぶってふつ〜にいらっしゃるんですけど(^^;
MC「それでは青山監督にご登場していただきます。」 
後ろに立ってた男性が壇上に上がる・・・・やっぱり監督だったんだ(笑)

特にスポットライトが当たることもなく、キャップの影で監督の顔ほとんど見えない(^^; なんなら客席のほうが明るいくらい(笑)
キラキラ光るシルバーのドクロ柄キャップばかりが目立ってましたw

そんな中、いきなり1人でペラペラ喋り始める監督w マイペースな感じが素敵(笑)

まず今日の嬉しかったニュースを・・・・トニー・スコット監督がデンゼル・ワシントン主演で「サブウェイ・パニック」をリメイクするということで。嬉しいですね〜。

あとじーんとしたのが・・・・漫才の麒麟って・・・みなさんも知ってると思いますけど(一体なんの話が始まるんだ??とりあえずメモメモ・・・・)
麒麟の田村くんのお父さんが、FBIの捜査で見つかったというのを見まして、、感動しましたね〜。 (え〜〜!?そうなの!?)

・・・この部分の私のメモ 「きりん 田村 父 FBI」・・・これだけ見たら田村のお父さん、FBIなのかと思うよw

麒麟の田村くんっていうのは、子供の頃、お母さんが亡くなって家が差し押さえになってお父さんがいなくなって、田村くんは公園に住んでたんですね。
この映画の健次も家がなくて10年間さまよってたわけで・・・田村くんとつながるな〜と(笑)
 

それと・・・今日はこれをみなさんに紹介しようと思いまして、(と、「アット 8号」という雑誌をバッグから取り出す(笑))
この中の柄谷行人さんっていう方が書かれてる文章が非常に興味深かったので紹介させていただきます。

・・・・そして朗読し始める。 私にはいまいち理解できない内容だったので、知り合いの方の感想を参考にさせていただくと・・・

日本列島において古代日本史では、農耕とは弥生人がもたらしたと言われているが、それ以前の縄文人も稲作農業をやっていた。
弥生人と共に到来したのは「国家」であり、「国家」が到来したことにより、狩猟採集民が制圧され農耕民へと変化した。
しかし、そんな「国家」による農耕を拒否した者たちもいた。それら奥地へ逃れた狩猟採集民をも最終的に殲滅したのは、明治以降の日本国家である。

ここで言う、「国家」は石田えり扮する母親であり、「狩猟採集民」というのが「麒麟の田村くん」であり「健次」であるということ。

僕の思いを的確に書かれてありまして、今日はこれを紹介しようと思ってきました。・・・・という話をもちまして、本日の僕の挨拶とさせていただきます(笑)
 

司会者「それでは質疑応答に入ります。質問ある方は挙手してください。監督がなんでも答えてくれますので。」

監督「なんでも答えるとは言ってないよ。」(会場笑い)
 

Q. 3回目です。(監督:ありがと〜。すみませんねぇ。) 特別な映画になりました。 
小説では健二が弟を殺した後自首するまでが描かれていますが映画ではありませんでした。
脚本の段階でカットされたんですか? 編集でカットされたんでしょうか?
 

この中で小説を読んだ人はどのくらいいるのかな?  (パラパラと手が挙がる・・・) そんなもんか。 じゃー説明しづらいんだけど・・・
小説に出てくる、カブトガニが重要なんですよね。切っても切れないもので。
で、一番の原因は、カブトガニの産卵時期に撮影ができなかったんだよね。 俺は模型でいいから撮る!って言ったんだけど、製作側が「そんなのいらない。」って言うんで・・・・
ロケハンの最後の最後に、カブトガニの死骸あって・・・「そら見ろ!いるじゃないか!」って怒ったんだけど。。

健二は、あのカブトガニを見なければ、自殺か逃亡してたかもしれないんですよね。 
なので、カブトガニそのものも、模型も撮ることができなかったんで、残念ながらカットしました。

健二が自首したときの警官を誰にするかも悩んだんですよね。僕の頭の中では松尾スズキだったんだけど、(!)それも夢に終わってしまいました。

あと、千代子の元旦那の役に、リリー・フランキーを考えてたんだけど(!!)、スケジュールの都合がつかなくてあきらめたんです。 
 

・・・松尾スズキさんにリリーさん・・・九州っていう基本要素があるとはいえ、オダギリの関係者ばっかりだ〜(笑)
 

Q. 続編は考えてらっしゃいますか?
 

全く今のところ・・・構想はあるようなないような・・・全くと言っておいておかしいですけど(笑)、いまいちハッキリしたことはないですね。
さっきもこの作品を後半後ろから観てたんですが、自分がこの映画に対して愛着があるんですね〜。まだこの世界に浸っていたいというか・・・
生き残った人たちが、今後どう生きていくのか・・・描きたくなったら作るかもしれません。  まだ今は自分のこの中に残ってるんでね〜、、、
 

Q. 今注目している監督はいますか?
 

さっきも言ったトニー・スコット監督とか・・・さっきそこでチラシを取ったんだけど、オタール・イオセリアーニ監督の『ここに幸あり』っていう映画。これ観たいですね〜♪
(チラシの写真を見ながら)庭にヒョウがいますからね〜。なかなかないですよ、庭にヒョウがいるっていうのは(笑) これはいい映画になりますよ〜。
あ、、ここの映画館じゃなかったですね。すみません(^^;
 

Q. 最後のシャボン玉のシーンが印象的でした。女性の包容力や力強さを表現してるのかなと思ったんですが・・・あれは本物ですか?CGですか? (そういう質問かよ! 笑)

(監督苦笑いしながら)あなたが本物だと思うなら本物です。 映画を作る人間は全部本物だと思ってやってるからね。
そういう裏方のことはね〜、僕らは語っちゃいけないんだよね。見なかったことにするのが粋。 それが正しい映画の見方。
歌舞伎なんかでもね、黒子さんがバッと衣装を脱がしたりするじゃない。 そういうのとかね。詮索するのは野暮。 

本物だと思って見る。・・・本物と信じて僕はやっているので・・・ご想像におまかせします。 って結婚会見のようなにごしかたをさせてもらいます(笑)
 

このあたりで時間となってしまったんだけど、まだ手が挙がってたので監督自ら指名する。
 

Q. 僕は麒麟の田村くんが好きなんですが、田村くんの半生を映画化するっていうことは考えてらっしゃいませんか?
 

田村くんの半生ね〜、興味はあるけど、なんか吉本で100人くらいで監督やるんでしょ?まぁ僕が手を出すまでもないでしょう。
芸人のライブ映画を作りたいなとは思ったんですよ。 ○○とか(聞こえなかった)チュートリアルとかね。それはまだあきらめたワケじゃないんだけど。
あんまり労働してもなーと。 ちょっと休みたいなと思うんでね(笑)。
 
 

という感じで、薄暗い中、まった〜りいい感じの雰囲気のティーチインでした(^-^)
青山監督、見た目、声、喋り方・・・なんとなく井筒監督に似てたんだけど、思ったより親しみやすくてよかったです^^

終わったあとも、ロビーで普通に声かけてきた人と談笑してて、優しそうでした〜♪